成人看護学(33)(栄養摂取・代謝障害を持つ患者への看護) [成人看護学]
(7)肝性脳症の予防と生活指導
・ 肝性脳症の予防には、便通を整え、アミノ酸を制限した食事、感染予防のために身体の清潔、口腔内の清潔、手洗いなどを指導します。 掻痒感を軽減するためには、刺激の少ない寝具や衣類を使ってもらい、薬剤投与なども考慮してもらいます。
・ 肝性脳症でおこる、食欲不振、全身倦怠感、羽ばたき振戦、肝性口臭、精神神経症状、睡眠パターンの不順などが出現しないか観察します。
(8)浮腫・腹水の生活指導
・ 腹水で横隔膜が挙上している時は、セミファウラー位をとらせると呼吸が楽になります。
・ 安静により、腎血流や心拍出量が増加し、尿量が増え浮腫が軽減します。
・ 食事では、塩分と水分を制限する。また、高蛋白食とします。
・ 利尿剤投与により、低カリウム血症、低ナトリウム血症、脱水などがおこることがあるので、注意します。
・ 皮膚と粘膜は薄くなり、抵抗力が低下しているので感染や褥瘡を生じやすいので、清潔を保つことが必要です。
(9)黄疸の生活指導
[設問] 肝性脳症の生活指導で正しいものを一つ選べ。
イ 便通を整えさせる。
ロ アミノ酸の多い食事を摂取させる。
ハ 便通を整えるためにピーナツなどを摂取させる。
ニ 水分摂取は極力控えさせる。 正解 (イ)
[設問] 浮腫・腹水の生活指導で正しいものを一つ選べ。
イ 腹水で横隔膜挙上があるときは、セミファウラー位をとってもらう。
ロ 安静は避け、なるべく活動するように指導する。
ハ 食事では、塩分を増やしてもらう。
ニ 低たんぱく食とする。 正解 (イ)