成人看護学(18)(呼吸機能障害を持つ患者の看護) [成人看護学]
(3)肺切除術の看護
(4)胸腔鏡下手術の合併症予防
・ 創部の感染や離開を予防するために、指示された抗生剤の投与を行います。 また、シャワーや入浴の際には、創部に防水シートを貼り、汚染を防ぎます。
・ 肺炎予防のため、喀痰喀出が困難な場合は、加湿をして末梢気道を広げ、繊毛運動を促し、指示された量の去痰剤を投与します。
・ 術前からケロイド体質の目立つ患者には、術後抗ケロイド薬の内服を数ヶ月行います。
・ 術後はトロッカー孔周囲に高度に進展する皮下気腫ができることがありますから、観察は十分に行っていきます。
・ 10mm以上の大口径トロッカーを挿入した場合、肋間神経に損傷がおこり遅延性疼痛が発症することがあるので、その場合、指示された鎮痛薬を投与します。
(5)抗アレルギー薬、気管支拡張薬、副腎皮質ステロイド薬の服薬指導
(A)抗アレルギー薬
・ 気管支喘息の喘息発作を予防するために、抗アレルギー薬が投与されますが、予防薬なので定期的に吸入することが必要となります。
・ 抗アレルギー薬は、気管支拡張薬を吸入して5〜15分待ってから吸入し、その後は水で口をすすいでもらいます。
・ 抗アレルギー薬の副作用は、皮膚の発疹、嗄声、口内乾燥などがあり、吸入後に咳鳴や息苦しさが出たら医師に連絡する必要があります。
(B)気管支拡張薬
・ 気管支拡張吸入薬は発作時に使われます。
・ 副作用として、イライラ、動悸、悪心、不眠がおこりますから、症状が出たら、医師に連絡します。
(C)副腎皮質ステロイド薬
[設問] 肺切除術の術後合併症を避けるために有用なことを二つ選べ。
イ 術前から禁煙を守る。
ロ 体重増を図る。
ハ 腹式呼吸に慣れておく。
ニ 血圧を下げておく。
ホ 安静に努める。 正解 (イ、ハ)
[設問] 気管支拡張薬の副作用として出やすいものはどれか? 一つ選べ。
イ 動悸 ロ 眠気 ハ 徐脈 ニ 食欲亢進 ホ 下痢
正解 (イ)