成人看護学(43)(内部環境調節障害を持つ患者への看護) [成人看護学]
(4)血液透析・腹膜透析の管理
・ CAPDは、1日3〜4回行い、約30分をかけて腹腔内に留置したカテーテルから透析液を入れて血液を浄化する方法で、貯留中は自由に活動できます。 合併症として、腹膜炎をおこすことがあるため、清潔操作を心がけるとともに、腹痛、悪心・嘔吐、発熱、排液の性状に注意し、異常の早期発見に努める必要があります。
(5)シャントの管理と患者指導
・ 血液透析をするために、血液の出し入れをするのにシャントと呼ばれる動脈と静脈を皮下で吻合したブラッドアクセスをつくります。 一般に利き腕でない橈骨動脈と橈骨皮静脈とを吻合します。 そのため、腎不全末期ではシャントを形成する側の上腕での採血や注射、血圧測定を禁じます。
・ シャントの合併症には、閉塞、感染、出血などがあります。
・ シャントトラブル予防のためには、「シャント音の聴取やシャント部の拍動の触知により血流を確認する」 「疼痛や腫脹、発赤、冷感の有無を観察する」 「シャント側の腕で重い物を持つことや腕時計、腕枕などは避ける」 「シャント部の清潔を保持する」 「シャント部をゆるいサポーターや包帯で保護する」 などを指導します。
[設問] 血液透析の導入期にみられやすい合併症は次のどれか?
イ メタボリック症候群
ロ 不均衡症候群
ハ ロコモ症候群
ニ 悪性症候群 正解 (ロ)
[設問] 腎不全に対する通常の血液透析の1回にかける時間と週あたりの回数はどれか?
イ 1回1~2時間、週5回
ロ 1回2~3時間、週5回
ハ 1回4~5時間、週3回
ニ 1回7~8時間、週1回 正解 (ハ)
[設問] 一般に血液透析でシャントに使われる動脈は次のどれか?
イ 橈骨動脈 ロ 上腕動脈 ハ 尺骨動脈 ニ 鎖骨下動脈
正解 (イ)