成人看護学(21)(循環機能障害を持つ患者の看護) [成人看護学]
2)主な看護
(1)心臓カテーテル検査・心血管造影検査時の援助
・ 心臓カテーテル検査は観血的検査の1つです。局所麻酔下で、末梢動脈を穿刺あるいは切開して、カテーテルを逆行性に大動脈弁直上に到達させ、造影剤を注入して行われます。冠状動脈病変や心室、心房、弁の動きなどの評価をする目的で行われます。
(2)経皮的冠動脈形成術の看護
・ PTCA施行時の観察は、胸痛などの自覚症状の有無、バイタルサイン、心電図モニターによるSTの変化(虚血の状態)、不整脈、カテーテル挿入部の出血、血腫、足背動脈の触知、皮膚の色や温度差などが対象となります。
・ PTCA後は、急性冠梗塞をおこすことがあるため24時間全身モニタリングを行います。 退院後は、通常は6ヶ月後に造影検査を行い、再狭窄の有無の確認が必要です。
(3)ペースメーカー装着時の生活指導
・ 人工ペースメーカーによるペーシングには、ペースメーカーを体外に置く一時的ペーシングと、ペースメーカー本体を胸腔皮下に植え込む恒久的ペーシングがあります。
・ ペースメーカー装着後、最もおこりやすい問題は、ペースメーカー不全です。自覚症状、モニターの観察所見と合わせて異常の早期発見に努め、医師に相談するよう説明を行います。
・ ペースメーカー植え込み後は、電化製品、携帯電話の使用方法についての説明を行います。 医療機器で行われる電気治療やMRIは禁忌です。 CTでもペースメーカー本体にX線が連続的に照射されるとオーバーセンシングがおこり、ペーシング出力が一時的に抑制される場合があるので、本体にはX線照射をしないことになっています。
(4)開心術の看護
[設問] 経皮的冠動脈形成術(PTCA)の合併症とされるものを二つ選べ。
イ 急性冠動脈閉塞
ロ 肺炎
ハ 冠動脈穿孔
ニ 脳出血
ホ イレウス 正解 (イ、ハ)