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成人看護学(35)(栄養摂取・代謝障害を持つ患者への看護) [成人看護学]

8)糖代謝障害の主な看護

(1)インスリン療法、経口糖尿病薬の服薬指導

・ 糖尿病の薬物療法には、インスリン療法と経口糖尿病薬療法があります。

・  インスリン療法は、1型糖尿病、糖尿病性昏睡、糖尿病妊婦、重症感染症や外科手術・外傷時、ステロイド糖尿病、食事療法や運動および経口糖尿病薬でもコントロールが不十分な2型糖尿病に用いられ、自己注射が主流となります。

・  糖尿病の薬物療法に際しては、薬剤の目的、種類、用法、用量だけでなく、低血糖の危険性と予防、低血糖症状と対策、シックデイ(薬物療法中に嘔吐、下痢、食欲不振、発熱、外傷などが併発した場合)の対策について詳しく指導します。シックデイの場合、自己判断で対処せず、医師の診察を受けるよう指導します。

・ 低血糖では、発汗、動悸、振戦などの自律神経症状と、判断力低下、集中力低下、眠気、めまい、意識混濁、けいれんなどの中枢神経症状がおこります。

低血糖.png

(2)インスリン自己注射の指導

・ インスリン自己注射の際は、インスリン製剤の種類、特徴、注射の手技、注射時刻、注射部位、注射液の保存について指導します。

・ インスリン製剤には、超速効型、速効型、中間型、持続型、持効型と速効型と中間型の混合製剤があり、それぞれ作用時間が異なります。

・ インスリン注射には、バイアル型注射器を使う時とペン型注射器を使う場合があります。  最近はペン型注射器の使用が多くなっています。

・ ペン型注射器の使用は、インスリン製剤の入ったカートリッジを注射器にセット→注射器を軽く振って混和する→カートリッジのゴム栓をアルコールで消毒する→注射針を取り付けダイヤルを2単位に合わせて、空打ちして空気を抜く→ダイヤルを回して必要単位に設定して注射→注射針を取り外して瓶やプラスチック容器に入れる→注射器は室温で保管す
る、といった手順で行います。  カートリッジは空になれば、新しいものと交換し、使用済みの針は医療機関で廃棄してもらうよう指導します。

・ 注射時刻は速効型や混合型では、食前30分であり、超速効型は食直前となります。  注射部位は、上腕部、腹部、臀部、大腿部の皮下が適当ですが、吸収の速さは、腹部、上腕部、臀部、大腿部の順となります。  注射部位を揉んだり温めたりすると吸収は速くなります。  注射部位は、注射のたびに約2cmずつ離すようにし、皮膚の硬化を防ぎます。

・ インスリン注射液は、15℃以下での冷所保存が必要です。

[設問] 治療中の糖尿病患者が発熱、嘔吐、下痢、食思不振、外傷などを併発して、食事を摂れない状況を何というか?

イ 糖尿病ケトアシドーシス

ロ 高浸透圧高血糖症候群

ハ 乳酸アシドーシス

ニ シックディ                   正解 (

[設問] 低血糖症状の組み合わせを選べ。

イ 発汗・振戦・集中力低下

ロ 体動時の息切れ・咳・排痰

ハ けいれん・眼球偏倚・意識障害

ニ 胸痛・食思不振・嘔吐               正解 (

[設問] 超速効型インスリンの注射の投与は次のどれか適当か?

イ 食前  ロ 食後  ハ 食直前  ニ 食直後  ホ 食間

                              正解 (


 


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