成人看護学(29)(栄養摂取・代謝障害を持つ患者への看護) [成人看護学]
5)肝機能障害の観察とアセスメント
(1)肝肥大の観察
・ 肝臓の肥大が高度になると触診で、硬度が増し鈍になった肝臓の辺縁が呼気でも吸気でも触知できるようになります。
(2)黄疸・腹水の観察法
・ 黄疸の観察は、明るい場所や昼光下で行い、皮膚、眼球結膜、強膜などの黄染状態をみます。
・ 黄疸があると、尿はビリルビン尿のため濃い黄色となります。
・ 便の色は、溶血性黄疸では濃褐色、閉塞性黄疸では白土粘土様になると言われます。
・ 腹水のある部位は、打診で濁音となります。また、仰臥位で鼓音のところが側臥位で下になると濁音に変わったりします。 仰臥位の時、腹水が腹腔の両側に分かれ、腹部が平たんに見える 「カエル腹」 がみられることがあります。
・ 腹水が大量になると、一側の側腹部から衝撃を軽く加えると、反対側で波動を感じることができます。
[設問] 閉塞性黄疸患者の便は次のどれか?
イ 濃褐色
ロ 白土粘度様
ハ 黒色
ニ 緑色 正解 (ロ)
[設問] 腹部が平坦に見える「カエル腹」は何の時にみられるか?
イ イレウス
ロ 潰瘍性大腸炎
ハ 腹水
ニ 過敏性腸症候群 正解 (ハ)