成人看護学(31)(栄養摂取・代謝障害を持つ患者への看護) [成人看護学]
6)肝機能障害の主な看護
(1)肝生検時の援助
(2)インターフェロン療法時の生活指導
・ インターフェロン療法は、抗ウイルス療法の一種で、主にC型肝炎の治療に使われます。
・ インターフェロン製剤は、主にα型とβ型が使われ、α型は筋肉注射、β型は静脈注射により投与されます。
・ インターフェロン療法の副作用は、その発現時期により、初期、中期、後期に分類され、初期のものは大半の患者でみられますが、中期、後期のものの頻度は多くはありません。
・ 初期の副作用には、解熱鎮痛薬を使って症状の緩和が図られます。 中期におこる白血球や血小板減少は、感染予防や出血予防について指導して対処します。 後期の副作用である脱毛に対しては、治療終了後6ヶ月くらいで回復することを説明することで対処します。
(3)食道静脈瘤硬化療法の合併症予防
・ 経内視鏡的硬化療法(ELS:endoscopic injection sclerotherapy)とは、食道静脈瘤に直接針を刺して硬化薬を注入する方法です。
・ 経内視鏡的硬化療法による合併症、食道潰瘍、びらん性出血、食道狭窄、胸水貯留、腎機能障害、血圧低下(ショック)、胸痛、発熱などがあります。
・ 経内視鏡的硬化療法後に潰瘍の形成や出血がある場合は、経口食は止め、粘膜保護薬を投与します。
・ 経内視鏡的硬化療法後の腎障害は、硬化薬の血中移行による腎の直接障害と溶血反応による遊離ヘモグロビンによって発生します。 腎障害がおきたら、ハプトグロビンの点滴静注を行います。
・ 経内視鏡的硬化療法の施行前に、肝機能、止血機能の検査データを確認します。 また、内視鏡検査や硬化療法に対する強度の恐怖心や不安についてアセスメントし、検査の目的・方法、必要性を説明し、十分理解を得るようにします。
[設問] 肝生検後の合併症は、生検後のある時間帯に集中する。それはどれか?
イ 3時間以内 ロ 3~12時間後 ハ 12時間~24時間後 ニ 24時間~2週間後
正解 (イ)
[設問] インターフェロン療法の副作用で、2カ月以降の後期にみられるものはどれか?
イ 発熱 ロ 頭痛 ハ 嘔吐 ニ 脱毛
正解 (ニ)
明日から4日間九州へ墓参りに帰ります。7月17日(水)よりブログ再開します。(白鳥恭介)