人体の構造と機能 第58回(泌尿器系の構造と機能) [人体の構造と機能]
C)尿細管の機能
a)近位尿細管の機能
・近位尿細管では、水、Na+、K+、Ca2+、Cl-、グルコース、尿素が再吸収され、H+とアンモニアが分泌されます。
b)ヘンレ係蹄の機能
・ヘンレ係蹄では、水、Cl-は再吸収され、尿素が分泌されます。
c)遠位尿細管の機能
・遠位尿細管では、水、Ca2+、Cl-、尿素は再吸収され、H+とアンモニア、K+が分泌されます。
d)集合管の機能
・集合管では、水、Cl-、尿素は再吸収され、H+とアンモニア、K+が分泌されます。
・原尿は、尿細管を流れる間に、99%の水と必要な物質は再吸収され、直細動・静脈に入ります。不要な物質は、尿細管細胞から原尿中に分泌されます。
人体の構造と機能 第57回(泌尿器系の構造と機能) [人体の構造と機能]
《機能と生理》
A)腎臓の役割の概括
・腎臓は、体液のホメオスタシスを維持するために血漿の老廃物、不要な物質を尿として排泄しています。具体的には、尿素、アンモニア、余分に摂取された水分などが排泄されます。そして、Na+、K+、H+などは、その濃度を一定にするために排泄または分泌されています。
B)糸球体の機能
・腎臓の糸球体は、血液中の細胞成分と蛋白を除く成分を血圧で濾過しています。糸球体で濾過される血漿量は約160L/日、濾過された血漿は原尿(げんにょう)と言われます。
・腎臓全体の輸入細動脈に入る血液量は約1000ml/分で、心拍出量の20~25%にあたるものです。また、約890ml/分が輸出細動脈から出ていくので、差し引き約110ml/分が糸球体濾過膜を通ることになり、これを糸球体濾過量(しきゅうたいろかりょう)と呼びます。また、血漿中の物質が糸球体で濾過、排泄される率をクリアランス(清掃率)と呼びます。
[設問] 次のカッコの中に入るべきものを選べ。
・腎臓の糸球体で濾過される血漿量は1日に約( )であり、原尿と呼ばれる。
イ 1.6L ロ 16L ハ 160L ニ 1600L
正解 (ハ)