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人体の構造と機能 第70回(内分泌系の構造と機能) [人体の構造と機能]

(2)甲状腺

《構造》

・甲状腺は前頸部で気管の前に位置します。

・甲状腺には、濾胞(ろほう)があるのが特徴で、そこには濾胞上皮細胞、濾胞傍細胞があります。

・濾胞腔はコロイドで満たされていて、コロイドの主成分はサイログロブリンです。

《機能と生理》

A)甲状腺から分泌されるホルモン

・甲状腺は、サイロキシン、トリヨードサイロニンとカルシトニンをつくっています。

・濾胞腔のコロイドの主成分であるサイログロブリンにヨードイオンが結合すると……サイロキシンとトリヨードサイロニンができます。

・カルシトニンは濾胞傍細胞でつくられています。

B)サイロキシンとトリヨードサイロニンの作用

・サイロキシンとトリヨードサイロニンは、全身の器官に作用して、細胞の代謝を維持しています。また、他のホルモンの作用を増強する役割も果たしています。

C)カルシトニンの作用

・カルシトニンは、破骨細胞の活動と骨吸収を抑え、腎臓からのCa2+排泄を促し、血中のCa2+を低下させます。骨形成を促進する作用を持っています。

[設問] 甲状腺濾胞のコロイドの主成分は何か? 一つ選べ。

イ カルシトニン   ロ サイロキシン   ハ トリヨードサイロニン    ニ サイログロブリン

                                              正解 (

(3)副甲状腺(上皮小体)

《構造》

・副甲状腺は甲状腺の裏側に4個あって、それぞれの大きさは米粒大です。

《機能と生理》

・副甲状腺ホルモンは、カルシトニンの作用と拮抗するもので、血中のCa2+濃度を増加させ、リン酸濃度を減少させます。このホルモンによって、骨吸収は促進され、腎臓の尿細管でのCa2+の再吸収が高まります。

[設問] 副甲状腺ホルモンの作用の組み合わせで、正しいものを一つ選べ。

イ 血中 カルシウムイオン の増加・血中リン酸の減少・骨吸収の促進

ロ 血中カルシウムイオンの減少・血中リン酸の増加・骨吸収の促進

ハ 血中カルシウムイオンの増加・血中リン酸の減少・骨形成の促進

ニ 血中カルシウムイオンの減少・血中リン酸の増加・骨形成の促進

                                           正解 (

副甲状腺.png

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人体の構造と機能 第69回(内分泌系の構造と機能) [人体の構造と機能]

2)内分泌器官の構造と機能

(1)視床下部・下垂体

《構造》

A)視床下部

・視床下部は最も古い脳で本能の脳とも言われます。

・視床下部の室傍核(しつぼうかく)と視索上核(しさくじょうかく)から下垂体に至る神経線維によって視床下部‐下垂体系が成り立っています。

B)下垂体

・下垂体は、小指大の大きさで、その重さは約6g程度です。

・下垂体は、前葉(ぜんよう)、中間葉(ちゅうかんよう)、後葉(こうよう)からなります。

・前葉と中間葉は、腺性下垂体(せんせいかすいたい)と呼ばれ、後葉は神経下垂体と呼ばれ、発生学的には起源が違っています。腺性下垂体は口腔外胚葉、神経下垂体は神経外胚葉に由来します。つまり、両者は癒合して一つの下垂体ができているのです。ですから、後葉は神経組織である視床下部と発生源が同じなので、後葉と視床下部は神経線維の連絡路を持っているのです。

・腺性下垂体はには、色素嫌性細胞(主細胞、γ細胞とも呼ばれます)、酸好性細胞(α細胞とも呼ばれます)、塩基好性細胞(β細胞)などがあります。

・神経下垂体には視床下部からの神経軸索の末端が到達しています。

《機能と生理》

・視床下部から下垂体前葉に作用するホルモン(因子)は、上下垂体動脈→下垂体門脈(下垂体門脈系)によって下垂体前葉に運ばれて作用します。

 補)下垂体後葉へは下下垂体動脈が環流しています。

・視床下部でつくられ下垂体後葉で分泌されるホルモン(因子)は、神経軸索を通して運ばれ、下垂体後葉の神経終末で分泌されます。

・視床下部でつくられ、下垂体後葉から分泌されるホルモンには、抗利尿ホルモン(バゾプレッシン)、オキシトシンがあります。

[設問] 視床下部でつくられ、下垂体後葉で分泌されるホルモンは次のうちどれか? 二つ選べ。

イ 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン

ロ 成長ホルモン抑制ホルモン

ハ オキシトシン

ニ バゾプレッシン

ホ 間質細胞刺激ホルモン                  正解 (

視床下部制御.png

・視床下部から前葉に送られるホルモンには、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、プロラクチン放出ホルモン(PRH)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH‐RH)、ACTH放出ホルモン(CRH)、成長ホルモン抑制ホルモン(GIF)、プロラクチン抑制ホルモン(PIF)があります。

・下垂体前葉のβ細胞からは、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモンFSH、黄体形成ホルモンLHまたは精子形成ホルモン、間質細胞刺激ホルモン)が分泌されています。α細胞からは、成長ホルモン(GH)と乳腺刺激ホルモン(PRH)を産生・分泌しています。γ細胞の一部は、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を産生・分泌します。

[設問] 腺性下垂体の酸好性細胞(α細胞)から産生・分泌されるホルモンは次のうちどれか? 二つ選べ。

イ 甲状腺刺激ホルモン(TSH)

ロ 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)

ハ 卵胞刺激ホルモン(FSH)

ニ 成長ホルモン(GH)

ホ 乳腺刺激ホルモン(PRH)

 正解 (

下垂体内分泌.png

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