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人体の構造と機能 第22回(消化器系の構造と機能) [人体の構造と機能]

(6)膵臓(すいぞう)

《構造》

・膵臓は胃の後ろ後方の腹膜腔にあります。その長さは14~18cm、幅は3~4cm、重さは65~75gの臓器で、右側は十二指腸の下行部につながり、左は脾臓に接しています。

膵臓.png

《機能と生理》

A)膵臓の外分泌機能と内分泌機能

・膵臓には、消化酵素を分泌する外分泌機能とインスリンという血糖を下げる作用を持つホルモンなどを分泌する内分泌機能を有しています。

 補)膵臓のランゲルハンス島の細胞には、α、β、δ細胞があり、α細胞からはグルカゴン、β細胞からはインスリン、δ細胞からはソマトスタチンが分泌されています。

B)膵液の分泌(外分泌機能)

・膵臓は迷走神経(副交感神経)の刺激で消化酵素に富む膵液を分泌し、小腸内での食物の消化と吸収を助けています。

・膵液は、膵管によって、大十二指腸乳頭から十二指腸内に放出されます。そして、そのpHは8.0~8.5で、1日0.5~0.8L分泌されています。消化酵素としては、膵リパーゼ(ステアプシン)、膵アミラーゼ(アミロプシン)、トリプシノーゲン(トリプシン)、キモトリプシン、カルボキシぺプチダーゼ、ヌクレアーゼが含まれています。

・膵液は、十二指腸から分泌される消化管ホルモン、セクレチン、コレシストキニン(パンクレオザイミン)によって分泌が促進されます。

[設問] 膵臓のランゲルハンス島のα細胞から分泌されているのは、どれか? 一つ選べ。

イ インスリン    ロ グルカゴン    ハ ソマトスタチン    ニ セクレチン

                                          正解 (


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人体の構造と機能 第21回(消化器系の構造と機能) [人体の構造と機能]

E)小腸粘膜

・小腸の粘膜には、輪状ヒダ、絨毛(じゅうもう)、微絨毛があります。

輪状ひだ.png

《機能と生理》

A)小腸の役割

・小腸は、食物の通路というだけでなく、消化と吸収の主要な役割を果たしています。小腸を食物が通過するのに要する時間は、3~10時間程度です。

B)小腸の消化管ホルモン

・十二指腸粘膜のS細胞は、胃から入ってきた酸度の高いペプチドなどの蛋白質分解産物に反応して、消化管ホルモンであるセクレチン、コレシストキニン(パンクレオザイミン)などを分泌し、膵液(膵臓からの消化酵素液)の分泌を高め、pHを上昇させます。

C) 腸液

・ 腸液はpH8.2の弱アルカリ性で、一日あたり1.5~3L分泌されます。

・ 腸液には、マルターゼ、スクラーゼ、ラクターゼ、腸リパーゼ、エレプシン(ペプチダーゼ)などが含まれています。

D) 小腸での消化・吸収

・ 小腸で蛋白質はアミノ酸に、炭水化物が単(たん)糖類(とうるい)に分解され、絨毛にある毛細血管に入ります。 さらに上腸間膜静脈から門脈(もんみゃく)を経て、肝臓へと運ばれます。 脂肪酸は、炭素数が10~12個以下のものは同じく毛細血管から、同じように肝臓へと運ばれますが、それ以上の炭素数のものは粘膜の毛細リンパ管に入り、胸管(きょうかん)を経て鎖骨下静脈に入ります。

[設問] 十二指腸粘膜のS細胞が分泌するものはどれか? 二つ選べ。

イ リパーゼ    ロ セクレチン    ハ コレシストキニン    ニ キモトリプシン    ホ ペプシン

                                       正解 (

C)腸液

・腸液はpH8.2の弱アルカリ性で、1日あたり1.5~3L分泌されています。

・腸液には、マルターゼ、スクラーゼ、ラクターゼ、腸リパーゼ、エレプシン(ぺプチダーゼ)などが含まれています。

D)小腸での消化・吸収

・小腸で蛋白質はアミノ酸に、炭水化物は単糖類に分解され、絨毛の毛細血管に入ります。毛細血管に入ったアミノ酸と単糖類は上腸管膜静脈から門脈を経て肝臓へ運ばれます。脂肪酸は、炭素数が10~12個以下のものは同じく毛細血管から同じように肝臓に運ばれますが、それ以上の炭素数のものは粘膜の毛細リンパ管に入り、胸管(きょうかん)を経て鎖骨下静脈に入ります。

[設問] 小腸粘膜の絨毛から直接吸収されて毛細血管に入り、門脈で肝臓に運ばれるのはどれか? 二つ選べ。

イ アミノ酸    ロ 単糖類    ハ 中性脂肪    ニ 蛋白質    ホ でんぷん 

                                          正解 (


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人体の構造と機能 第20回(消化器系の構造と機能) [人体の構造と機能]

(5)小腸

《構造》

A)小腸の長さ

・小腸は、約2.6mの長さがあり、十二指腸以外は、腸管膜で後腹壁に緩く固定されていて、腹腔内に巻くように納まっています。

B)小腸の3つのパート

・小腸は、十二指腸、空腸、回腸の3つのパートからなり、回盲弁で大腸につながっています。回盲弁は大腸から小腸への逆流を防ぐ役目をしています。

C)十二指腸

・十二指腸は約25cmで、大部分は脊柱の右側にあり、腹膜後間隙に位置し、膵臓の頭部(膵頭)をC字状に取り囲んでいます。

・十二指腸は、上部、下行部、水平部、上行部に区別されます。上部の起始部は拡張して球部とも呼ばれ、下行部には大十二指腸乳頭がありますが、これはオッディの括約筋のために生じた高まりです。この大十二指腸乳頭に膵管が開口しています。

D)空腸と回腸

・十二指腸の後ろにある小腸は、前2/5が空腸で、後ろ3/5が回腸と呼ばれます。

・十二指腸から空腸に移行するところに腹膜のヒダであるトライツ靭帯があって、上部消化管と下部消化管の境目になっています。

[設問] 小腸について正しい記載を一つ選べ。

イ  小腸は前1/2が空腸で、後ろ1/2が回腸である。

ロ  十二指腸球部には十二指腸乳頭がある。

ハ  小腸は、すべて、後腹壁に腸管膜で固定されている。

ニ  十二指腸から空腸に移行するところにはトライツ靭帯があり、上部消化管と下部消化管に分けている。

                                            正解 (


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