人体の構造と機能 第89回(感覚器系) [人体の構造と機能]
B)眼球内容物の機能と生理
・眼房水は毛様体でつくられて後眼房(こうがんぼう)から前眼房(ぜんがんぼう)へ流れて、角膜と水晶体に栄養を与え、眼内圧を維持する役割を担っています。
・水晶体はレンズの役割を果たし、網膜に当たる像のピントを合わせる機能を持っています。
・硝子体は、眼球の形と弾性を保ち、光の通路にもなっています。
・虹彩は、瞳孔散大筋と瞳孔括約筋で、瞳孔に入る光の量を調節しています。
C)内眼筋と外眼筋の機能
・内眼筋(ないがんきん)には、瞳孔を開く瞳孔散大筋(どうこうさんだいきん)と、縮める瞳孔括約筋(どうこうかつやくきん)があります。瞳孔散大筋は交感神経支配で、瞳孔括約筋は動眼神経副核から出る副交感神経の支配を受けています。
・外眼筋(がいがんきん)は、眼を動かす筋肉で、動眼神経、滑車神経、外転神経の支配を受けています。
[設問] 下記の文で正しいものを一つ選べ。
イ 眼房水は角膜と水晶体を栄養し、さらに眼内圧を維持する役割を持っている。
ロ 硝子体は光の通路となり、さらに網膜にあたる像のピントを合わせる機能を持っている。
ハ 瞳孔括約筋は、瞳孔を開く機能を持つ。
ニ 瞳孔括約筋は交感神経の支配を受けている。
正解 (イ)
人体の構造と機能 第88回(感覚系) [人体の構造と機能]
《機能と生理》
A)視覚情報の伝達
・眼は、光を視覚情報としてとらえて脳へと送る機能を持っています。
・光は、角膜→水晶体→硝子体→網膜の順に到達します。
・網膜にある感覚器は、視細胞(しさいぼう)です。
・網膜の視細胞は、400~700μmの可視光線を感じることがでます。
・明るいところでは、光感受性の鈍い錐状体優位に、暗い所では光感受性の高い杆状体が優位に働いています。
・感光性の色素であるロドプシンは杆状体の外節の円板膜にあって、不活性型オプシンと11‐シス‐レチナールが結合したものです。
・神経節細胞の神経線維は、視神経乳頭から眼球を出て視神経となります。
[設問] 下記の文で正しいものを一つ選べ。
イ 光は目に入ると、角膜、硝子体、水晶体、網膜の順に到達していく
ロ 明るい所で主に働くのは視細胞の錐状体であり、暗い所では主に杆状体が働く
ハ ロドプシンは活性型オプシンと11‐シス‐レチナールが結合したものである
ニ 双極細胞の線維は視神経乳頭から眼球を出ると視神経になります
正解 (ロ)