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人体の構造と機能 第9回(細胞の構造と機能) [人体の構造と機能]

4)細胞の代謝の総和

(1)細胞代謝の意味

・一個一個の細胞の代謝の総和が身体全体の代謝となります。

(2)栄養

・我々は、食べ物を摂ることによって、発育とか成長とか、日常活動や健康の維持などのためにエネルギーを得ています。

・栄養摂取量は、健康な生活を送るために計算された栄養必要量なのですが、年齢や性別、体格、あるいは労働条件などによって変化するものなのです。

・栄養素には、糖質、蛋白質、脂質、ミネラル、ビタミンなどがあって、これらは身体活動のための生理的機能を持っています。

(3)基礎代謝と基礎代謝率

・基礎代謝とは、夕食後12~18時間後に、朝食を摂らず安静に仰臥している状態で消費されるエネルギー量のことをいいます。基礎代謝の測定は、正常体温、室温は20℃前後、そして、心身ともに安静の状態でされることになっています。

・基礎代謝率(BMR:basal metabolic rate)とは、心身ともに安静な状態で、1時間あたり身体が産生する熱の総量のことをいいます。単位は、cal/m2/時間となります。これは、心拍、呼吸、腎機能のような基礎的な生命活動を維持するために必要なエネルギー消費量に相当します。

・基礎代謝率は、乳幼児期で高く、加齢とともに低下していきます。

[設問] 基礎代謝率は、ある時間当たりのエネルギー消費量であるが、次のうちどれか?

イ 1分    ロ 10分    ハ 1時間    ニ 24時間 

                            正解(


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人体の構造と機能 第8回(細胞の構造と機能) [人体の構造と機能]

(2)エネルギー代謝

A)エネルギー代謝の目的

・エネルギー代謝は、生命活動をするためには不可欠な代謝です。

・細胞内の異化の過程で得られるエネルギーは生命活動を行うために使われます。

B)エネルギーの形態

・エネルギーはATPという形でつくられますが、エネルギーはこのATPからリン酸がはずれるときに放出されます。

C)エネルギーの材料

・エネルギーの材料となるのは、栄養素として取り入れられた蛋白、糖、脂質などです。

三大栄養素.png

D)嫌気的エネルギー産生系と好気的エネルギー産生系

・エネルギー産生系には、酸素を使わない(嫌気的)解糖系と、酸素を使う(好気的)クエン酸回路、電子伝達系・酸化的リン酸化による系があります。

・解糖は、細胞質で行われますが、酸素を使わず、酵素だけで起こり、グルコースからピルビン酸まで代謝される過程でATPが産生されることになります。

・好気的エネルギー産生系はミトコンドリアにあり、解糖でできたピルビン酸がミトコンドリアに入ると、アセチルCoAに変換され、クエン酸回路、電子伝達系・酸化的リン酸化を経て、大量のATPが産生されることになります。その結果できるのが、二酸化炭素と水です。

ATP回路.png


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人体の構造と機能 第7回(細胞の構造と機能) [人体の構造と機能]

3)細胞の代謝

(1)代謝とは?

A)異化(いか)と同化(どうか)

・外から取り込んだ物質を別なものに変化させる過程を代謝と呼びます。

・代謝には、取り込んだ物質を分解して、より簡単な化合物に変えてエネルギーを得る異化と、簡単な物質からより複雑な化合物をつくる同化があります。

・エネルギーを得るためのエネルギー代謝は異化の代表的なものです。脂質、糖、核酸、蛋白、それらの複合物の合成が同化ということになります。

B)器管によって異なる細胞の代謝

・細胞の代謝は、その細胞が属している器管によって違いがあります。たとえば、内分泌系のホルモンを産生する細胞、肝臓でコレステロールを胆汁酸に変えて排泄する細胞、筋肉にあってダイナミックな収縮と弛緩に関わってカルシウムの出入りが極端に多い細胞など、比べればわかると思いますが、かなり違った代謝の形となっています。

[設問] 代謝の異化にあたるものは次のどれか? 一つ選べ。

イ 脂質の合成    ロ 蛋白質の合成   ハ 解糖系でのATPの産生    ニ 核酸の合成

                                      正解 (


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人体の構造と機能 第6回(細胞の構造と機能) [人体の構造と機能]

(2)DNAとRNA

・染色体は遺伝子の集まりですが、その最小単位をヌクレオチドといいます。これは糖の一種であるデオキシリボースとリン酸、それと塩基の3つからなる構造物です。これがDNA分子ということになります。

DNA分子.png

・さて、その塩基には種類があります。アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)の4種類です。この4種類のうち3個の塩基が連なったものを遺伝暗号(コドン)といい、この1つが1つのアミノ酸に対応しています。

暗号.png

・遺伝子というのは、ある蛋白をつくるのに必要なコドンの連なりのことで、ゲノムというのは、その生物が持つ遺伝情報すべてを指す言葉です。

・それから、このDNAはばらばらになっているのではなく、ヒストンという糸巻きの芯のようなものに巻きつく形で染色体に収納されています。

・蛋白の合成は、DNAの一本の鎖を鋳型にしてRNAポリメラーゼの作用で伝令型RNA(mRNA)ができることから始まります。この過程を、転写といいます。

RNAポリメラーゼ.png

・RNAとは、DNAと違い、糖がリボースでそれとリン酸、塩基の3つからなるもので、塩基もDNAと同じく4種類ありますが、DNAにはチミン(T)がありますが、RNAの場合は、ウラシル(U)がこれに替わります。mRNAはまさにDNAのコピーで、これを元に、運搬RNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)という別種のRNAの助けを借りて、核の外にあるリボソームで蛋白を合成させます。そして、塩基配列がアミノ酸配列に置き換えられる過程を翻訳と呼びます。

[設問] 4種類の塩基のうち、3個の塩基からなるものを何というか?

イ ヌクレオチド     ロ ヒストン     ハ コドン     ニ ゲノム

                                         正解 (


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人体の構造と機能 第5回(細胞の構造と機能) [人体の構造と機能]

2)遺伝子

(1)染色質と染色体

・核の染色質は、細胞分裂期になると染色体になります。

・染色体は23対ですから、46本あります。対になっているのは、それぞれが両親から受け継いだものだということです。

・染色体の23対のうち、1対は性別を決める性染色体です。 男性の場合、XとY染色体が一本ずつ、女性はX染色体が2本ということになります。

・残りの22対、44本の染色体を常染色体といいます。

 ★常染色体は男女ともすべて対になっていますが、性染色体では男性だけが対ではありません。 このことが、生物学的に男性を弱い立場に追い込むことになります。 なぜなら、女性はX染色体が2本あるので、一本に欠陥があってももう一つの染色体が健常であれば、ある程度カバーできるのですが……男性の場合、替わりがないので、そのまま病気が発症してしまうことになります。 性染色体劣性遺伝の病気が男性では発症し、女性には保因者として遺伝子には欠陥があっても病気がでないことがあるわけです。


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人体の構造と機能 第4回(細胞の構造と機能) [人体の構造と機能]

細胞内小器官: 細胞質内にあるミトコンドリア、ゴルジ体、リボソーム、小胞体、ライソソーム、ぺルオキシソームなどをそう呼びます。

 ミトコンドリア: 生命活動を行うためにはエネルギーが必要です。 このエネルギーを得るために酸素を使い効率的に産生しているのが、ミトコンドリアです。 エネルギーはATP(アデノシン三リン酸)として生産されています。 そのエネルギー産生の代謝系には、クエン酸回路、電子伝達系があります。 ミトコンドリアはまさに生体のエネルギー工場と言えます。

みとこんどりあ.png

 リボソーム: 電子顕微鏡でしか見えない小さな顆粒です。 ダルマのような形をしていて、基本的な蛋白の合成を行います。

 ゴルジ体: 平たい袋が積み重なったような構造をしています。 リボソームでつくられた蛋白を修飾して、複雑な蛋白(リポ蛋白、糖蛋白など)をつくりあげる役割を受け持っています。

 小胞体: これには、2種類あります。 管状の構造物の滑面小胞体はステロイド、リン脂質、脂肪酸などの合成を行っています。 管状の構造物の表面にリボソームがくっついているのが粗面小胞体で、細胞の外へ分泌される蛋白や膜内に埋め込まれる蛋白の合成を行っています。

 ライソソーム: この小器官の中にはたくさんの加水分解酵素が含まれていて、取り込んだ生体高分子を加水分解する役割を持っています。

 ぺルオキシソーム: 脂肪酸には炭素の鎖が付いていますが、この炭素の鎖が極端に長いもの(極長鎖脂肪酸)の分解や特殊なリン脂質の合成などが行われています。 名前からわかるように、過酸化水素が発生する小器官です。

[設問] 蛋白を修飾して、複雑な蛋白をつくりあげる役割を担っているのはどれか? 一つ選べ。

イ ミトコンドリア    ロ ペルオキシソーム    ハ ライソソーム    ニ ゴルジ体    ホ リボソーム

                                           正解 (


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人体の構造と機能 第3回(細胞の構造と機能) [人体の構造と機能]

細胞内液: 細胞内の液体で、これがあるので細胞は形を保てています、 細胞が行う機能や代謝の場にもなっています。 成分は、水と電解質が主な成分で、そのほかに、栄養素やガスなどいろんなものが溶け込んでいます。 ところで、細胞の内にあるのが細胞内液ですから……細胞の外にある液体のことは細胞外液と呼ばれます。 血液やリンパ液、それに細胞間質の液体成分も細胞外液ということになります。

太古の先祖.png

: 核は細胞の設計図がつまっています。 核は、二重になった核膜によって細胞質から仕切られていて、その中に染色質と核小体が入っています。 細胞が分裂期になると染色質は染色体という凝縮したものに変わります。 この染色質、染色体には、遺伝情報がぎっしりとつまったデオキシリボ核酸、つまりDNAが備わっています。 核小体は、顕微鏡で見ると、少し色が濃く見えるもので、リボソームという蛋白の合成に関わると言われています。


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人体の構造と機能 第2回(細胞の構造と機能) [人体の構造と機能]

3.細胞の構造と機能

1)細胞の基本構造

・細胞は、細胞膜原形質からなり、原形質は細胞質から成り立っています。

・細胞と細胞の間は、細胞間質とか細胞間隙と呼ばれます。

・細胞質にはミトコンドリアゴルジ体、ぺルオキシソーム、ライソソームなどの細胞内小器官と呼ばれる構造物があります。

・細胞膜は、細胞の内と外を仕切るバリアーとしての機能、物質輸送を媒介する機能、情報伝達の場としての機能を持っています。 そして、その基本骨格はリン脂質という脂質の二重層です。その二重層の中に蛋白が埋まっています。 この蛋白こそが、物質輸送のためのポンプ、担体、輸送体、受容器、酵素などの膜機能に重要な役割を果たしているのです。

細胞膜.png

[設問] 細胞膜において受容器、酵素などとして役割を果たしているのは次のうちどれか? 一つ選べ。

イ リン脂質  ロ コレステロール  ハ 蛋白  ニ 脂肪酸

                                        正解 (


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人体の構造と機能 第1回(生命の単位) [人体の構造と機能]

 

 

ナビゲータ.png

1.生命の単位

・我々、ホモサピエンスという生命の最小単位は何か? 

・人体はたくさんの細胞から成り立っています。 その数は50兆~100兆といわれていますが、進化を逆にたどると、単細胞の生物に行きつきます。 つまり、生命の最小単位は1個の細胞ということになります。

・では、なぜ進化の過程で細胞の数は増え、我々のような多細胞の身体になったのでしょうか?

2.生物の進化と多細胞化……そして分化

・我々の最初のご先祖は、太古の海の中に誕生したと言われています。

・単細胞のご先祖様は、徐々に進化を重ねていったのですが、その過程で細胞の数を増やし、その生命活動も徐々にダイナミックなものへと変貌していきました。 多細胞化することにより、細胞群ごとに機能の分化が起きたのです。

・たとえば、栄養素を取り込むための消化器系、栄養素を効率よくエネルギーに変えるに必要な酸素を取り込むための呼吸器系、酸素や栄養素を全身に行きわたらせるための循環器系、そして、身体の内と外からの情報を集め、身体に指令を送る神経系などがそうです。

・その分化の中でも神経系の分化と発達は、生存にとって非常に有利な武器となりました。 その神経系が最も発達したのが……我々ホモサピエンスということになります。

分化.png
 
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