ランダム問題(7) [問題集]
[設問61] リンパ球のT細胞がつくられるのは主にどこか?
イ 骨髄 ロ 胸腺 ハ 脾臓 ニ 肝臓 ホ 膵臓 正解 (ロ)
ミニ解説: T細胞またはTリンパ球は、骨髄でできた前駆細胞(前Tリンパ球)が胸線で分化成熟してできる。T細胞のTは「Thymus」つまり胸腺のことである。
[設問62] ヘルパーT細胞の主な役目は何か?
イ B細胞の分化・成熟を助ける。
ロ マクロファージの貪食を助ける。
ハ 免疫記憶を残す。
ニ キラーT細胞の分化を助ける。 正解 (イ)
ミニ解説: 成熟したT細胞は細胞表面にCD4またはCD8などのマーカー分子を発現している。CD4を発現しているT細胞がヘルパーT細胞であり、他のT細胞の機能発現の誘導やB細胞の分化成熟や抗体産生を促す役割を持っている。
[設問63] NK細胞やキラーT細胞が細胞膜を傷害するのに使う蛋白質を何というか?
イ リンホカイン
ロ サイトカイン
ハ インターロイキン
ニ パーフォリン 正解 (ニ)
ミニ解説: パーフォリンはキラーT細胞やNK細胞が標的とする細胞を壊す時に放出する蛋白質で、感染細胞の細胞膜に穴を開ける作用を持っている。さらにこれらの細胞はグランザイムという蛋白を放出し、これが穴を通って標的細胞内に入り、細胞を断片化して破壊するといわれている。
[設問64] 次の細胞で貪食能はないが、抗原提示能が最も強いといわれるものはどれか?
イ マクロファージ ロ 樹状細胞 ハ 好中球 ニ 形質細胞
正解 (ロ)
ミニ解説: 抗原提示能とは、自分が取り込んだ抗原を細胞表面に提示し、他の免疫系の細胞に伝達する能力のことをいう。抗原提示細胞としては、樹状細胞、マクロファージ、B細胞があるが、最も抗原提示能が高いとされる。
[設問65] 気管支喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患に関与するのはどれか?
イ IgA ロ IgD ハ IgE ニ IgG ホ IgM 正解 (ハ)
[設問66] 自己免疫疾患に関与するといわれるものを二つ選べ。
イ ヘルパーT細胞 ロ キラーT細胞 ハ 形質細胞 ニ 胸腺外分泌T細胞 ホ B‐1細胞
正解 (ニ、ホ)
[設問67] 紫外線などによって発症し、蝶形紅斑などがみられ、全身性の血管炎がおこる、若い女性に好発する自己免疫疾患はどれか?
イ 関節リウマチ ロ SLE ハ 橋本病 ニ シェーグレン症候群 ホ 硬皮症
正解 (ロ)
ミニ解説: SLE(Systemic Lupus Erythematosus、全身性エリテマトーデス)は、20~30歳代の女性に多く、特徴的な所見として、蝶形紅斑がみられる。
[設問68] 移植における拒絶反応に関与する細胞を二つ選べ。
イ ヘルパーT細胞 ロ NK細胞 ハ CD8+T細胞 ニ CD4+T細胞 ホ キラーT細胞
正解 (ハ、ニ)
[設問69] エイズでHIVの感染によって傷害されるのは次のどの細胞か?
イ ヘルパーT細胞 ロ CD8+T細胞 ハ CD4+T細胞 ニ NK細胞
正解 (ハ)
[設問70] 涙腺や唾液腺に炎症がおこり、眼や口が渇くのはどの疾患か?
イ SLE ロ 硬皮症 ハ ベーチェット病 ニ シェーグレン症候群 ホ 高安病
正解 (ニ)
ミニ解説: シェーグレン症候群は、自己免疫疾患の一つであり、涙腺や唾液腺が障害され、ドライアイやドライマウスを起こす。
基礎看護学(10)(共通基本技術) [基礎看護学]
4)事故防止
(1)安全管理対策
・ 安全を脅かす要因としては、「人(患者・家族・医療従事者)」「環境」「医療器械・器具」「管理」によるものがあります。
・ 窓、ベランダ、階段やトイレなどでの事故がおきないように普段からの設備点検が必要です。
・ 病院内の酸素や爆発物気体の取り扱いには十分な注意が必要です。
・ 医用工学機器(ME機器)使用時には必ずアースをとるようにします。
・ 災害時の避難方法・避難経路・避難場所や連絡方法などを日頃から訓練しておき、医療従事者だけでなく患者・家族にも説明を徹底しておく必要があります。
(2)誤与薬・誤認の防止、転倒・転落の防止、人工呼吸器管理
・ 与薬薬剤を受け取る時は、ラベルを確認するとともに自分以外の医療従事者と声を出し合って確認(ダブルチェック)するようにします。
・ 転倒・転落は、ベッド柵を使用しなかった場合、または設置したベッド柵の乗り越え、床の汚染や濡れ、移動上の障害物、段差などでおこります。
・ 昼より夜間に転倒・転落はおこりやすくなります。夜間は足元を照明で明るくする工夫をし、足元が隠れ段差や床が見えなくなる衣類はできるだけ避けるようにします。
・ 転倒・転落を予防するためには、患者の身体の状態および病識について評価しておく必要があります。
・ 人工呼吸器使用前には、必ずホースやコードの接続確認・作動点検を行うようにします。
・ 人工呼吸器の回路は清潔に組み立て、加湿器には滅菌蒸留水を使います。
・ 人工呼吸器の回路・蒸留水は週に1度交換します。
・ 人工呼吸器使用中は、ホースなどの回路内の水分は定期的に排除するようにします。人工呼吸器装着中の患者の観察は、継続的に行う必要があります。
・ 人工呼吸器のアラームが鳴った場合は、その原因を観察・確認し、適切な対応をするようにします。
[設問] 安全管理対策として正しいものを一つ選べ。
イ 窓やベランダは必要ないが、階段やトイレなどでは事故がおきないように設備点検に念を入れる。
ロ 病院内の酸素や爆発物気体の取り扱いには十分な注意が必要である。
ハ 医用工学機器は安全にできているので、特にアースをとる必要はない。
ニ 災害時の避難経路、方法などは日頃から医療従事者は訓練するが、患者、患者家族までは行わなくてもよい。
正解 (ロ)
[設問] 転倒転落事故について正しい文を一つ選べ。
イ ベッドからの転落はベッド柵の使用を忘れなければ防ぐことができる。
ロ 転倒転落は、昼間におこりやすい。
ハ 転倒転落を防ぐには、床の汚染や濡れ、障害物、段差などをなくすことも必要である。
ニ 転倒転落は、患者の身体状態や病識には無関係である。
正解 (ハ)
[設問] 人工呼吸器のアラームが鳴る原因として多いものを二つ選べ。
イ チューブ類の接続のはずれや屈曲
ロ 停電
ハ 電源コンセントのはずれ
ニ 誤作動
ホ 患者の咳 正解 (イ、ホ)
ランダム問題(6) [問題集]
[設問51] 体表面から、それに接している空気中に熱が放散する現象は次のどれか?
イ 伝導 ロ 放射 ハ 対流 ニ 蒸発性熱放散 正解 (イ)
ミニ解説: 身体の中でできた熱は過剰になると、環境に放散する必要があるが、それにはいくつかの機序がある。まず身体と環境の温度差が大きいほど熱が多く放散されるのを放射による熱放散という。体表面や気道から接しているもの、たとえば空気中に放散されるのを伝導による熱放散という。皮膚に接した空気が温められ動いて熱が放散されるのを対流による熱放散という。また、不感蒸泄や発汗による水分が蒸発してできる気化熱として熱が放散するのを蒸発性熱放散と呼ぶ。
[設問52] 不感蒸泄の一日量はどのくらいか?
イ 400~600ml
ロ 600~800ml
ハ 800~1000ml
ニ 1000~1200ml 正解 (ハ)
[設問53] ヒトの中枢性温度受容器はどこにあるか? 一つ選べ。
イ 海馬 ロ 視床下部 ハ 視床 ニ 中脳 ホ 延髄
正解 (ロ)
[設問54] 抗凝固剤を加えて静脈採血をして、遠心分離すると3層に分かれるが、最上層と最下層にくるのはどれか? 二つ選べ。
イ 血清 ロ 血漿 ハ 血小板 ニ 赤血球 ホ 白血球 正解 (ロ、ニ)
[設問55] 抗凝固剤を加えて静脈採血をして、遠心分離すると3層に分かれるが、フィブリノゲンはどの層にあるか?
イ 最上層 ロ 中間層 ハ 最下層 ニ どこにもない 正解 (イ)
[設問56] 血漿にはあって血清にはないものは次のどれか? 一つ選べ。
イ 蛋白 ロ 糖質 ハ ビタミン ニ 脂質 ホ フィブリノゲン 正解 (ホ)
[設問57] 血清蛋白の中で最も多いのはどれか?
イ アルブミン ロ αグロブリン ハ βグロブリン ニ γグロブリン 正解 (イ)
[設問58] 血清蛋白の中で、γグロブリン以外で一部免疫グロブリンが含まれるのはどれか?
イ アルブミン ロ α1グロブリン ハ α2グロブリン ニ βグロブリン 正解 (ニ)
[設問59] 赤血球の寿命は約何日くらいか?
イ 100日 ロ 120日 ハ 140日 ニ 160日 ホ 180日 正解 (ロ)
[設問60] 赤血球は古くなると脾臓で破壊・処理され、中にあった鉄は骨髄に戻され、ヘモグロビン合成へとリサイクルされるが、これを何というか?
イ 鉄回転 ロ 鉄循環 ハ 赤血球循環 ニ 赤血球回転 正解 (イ)
基礎看護学(9)(共通基本技術) [基礎看護学]
2)人間の成長を促すための技術
(1)教育
・ 患者教育の目的は、患者自身が自己の病気や障害、今後の問題やその対処方法などについて正しい知識を習得し、その後の療養や生活をよりよいものにしてもらうためです。
・ 入院患者の患者教育には、入院時オリエンテーション、日常生活指導、退院時指導などがあります。
・ 教育を実践するにあたっては、教育内容を明確にし、相手に応じた表現方法を用いて、相手が望ましい状況をイメージできるように働きかけることが重要です。
(2)相談・指導
・ 指導活動の場としては、外来や病棟などの医療施設と、家庭や学校など生活の場があります。
・ 指導活動の方法には、個人を対象とした個別指導、集団を対象とする集団指導、それと訪問指導があります。
・ 個別指導は個々に応じた説明、相談、指導で、秘密保持が必要とする場合に行われます。
・ 集団指導は、課題に共通性がある多人数の対象者に対して行われます。講義形式、意見交換を行う討議の形などがあります。
・ 訪問指導は、患者だけでなく介護を行う家族を含めた指導です。
・ 相談には信頼関係が大事で、相手の話を傾聴し相手を尊重することや、秘密を守ることが大切です。
3)安全を守るための技術
(1)感染コントロール
・ 感染予防の原則
・ 病原体を除去するには、汚れや微生物を取り除く手洗いや有害な微生物や病原体を死滅させる消毒法、すべての微生物を死滅させる滅菌法などがあります。
・ 手洗いは微生物の伝播を防ぐため、患者と接する前や汚染物に触れた時、手袋を除去した時などに直ちに行います。
・ 手洗いには、日常的手洗い、衛生的手洗い、手術時手洗いがあります。
・ 看護者自身が感染から身を守るには、血液や体液などに触れる可能性がある場合は、手袋やマスクなどの防護用具を使用し、使用後は防護用具を除去してただちに手洗いをするようにします。
・ 針刺し事故防止のため、リキャプの禁止や針廃棄容器の準備、リキャップ不要の注射針などを用いるようにします。
[設問] 患者教育について、正しく述べたものを一つ選べ。
イ 患者教育は、患者の病気や障害を、看護者自らが把握するために行う。
ロ 入院患者の患者教育には、入院時オリエンテーション、日常生活指導、退院時指導などがある。
ハ 患者教育は、教育内容は多少曖昧でも、看護者が熱意こめて行うことが大事である。
ニ 入院患者の患者教育は、入院の原因となった病気についての認識を深めることが中心となる。
正解 (ロ)
[設問] 看護における相談・指導に関して、以下より、正しい説明であるものを一つ選べ。
イ 看護における指導の場は、外来や病棟などの医療施設で行う必要がある。
ロ 個別指導では、特に秘密保持の必要はない。
ハ 集団指導は、課題に共通性がある時に行われる。
ニ 訪問指導も患者だけに対して行われることが多い。
正解 (ハ)
[設問] 感染予防の三原則における「侵入経路の遮断」に含まれるものを二つ選べ。
イ 手洗い ロ 無菌操作 ハ 消毒 ニ 栄養状態の管理 ホ 隔離
正解 (ロ、ホ)
ランダム問題 (5) [問題集]
[設問41] チアノーゼでは還元ヘモグロビンがいくら以上の時におきるのか?
イ 3.5g/dl ロ 4g/dl ハ 4.5g/dl ニ 5g/dl ホ 5.5g/dl
正解 (ニ)
ミニ解説: ヘモグロビンは酸素を運ぶ役割を持っており、酸素と結合したものを酸化ヘモグロビン、酸素が離れると還元ヘモグロビンとなる。チアノーゼは毛細血管中の還元ヘモグロビンが5g/dl以上になると出現するが、貧血があるとヘモグロビンの量が元々少ないために、なかなかその域に達せず、発生しにくいことになる。
[設問42] 右心不全で直接おきる症状・所見はどれか? 二つ選べ。
イ 肝腫大 ロ 空咳 ハ 起座呼吸 ニ 腹水 ホ 湿性ラ音
正解 (イ、ニ)
ミニ解説: 左心室機能の低下によるのが左心不全、右心室の機能低下によるものが右心不全である。右心室の機能が落ちると、右心で血液の流れが滞るので、その上流にある中心静脈の圧が上がり、そこにうっ血がおこる。そして、下肢の浮腫、肝種大、腹水などが生じることになる。左心不全では、左心室の機能低下によりその上流にあたる左心房圧が上がり、さらに肺水腫がおこり、呼吸困難や湿性ラ音が生じることになる。
[設問43] 血栓症の原因とされるウイルヒョウの三条件の組み合わせを選べ。
イ 血管壁の変化・血流速度の変化・血液性状の変化
ロ 動脈硬化・脱水・高体温
ハ 低血圧・血小板の異常・ヘマトクリットの上昇
ニ 凝固能の亢進・線溶系の機能低下・高血圧
正解 (イ)
[設問44] メドゥサの頭がみられるのは、次のどの疾患か? 一つ選べ。
イ 心筋梗塞 ロ 脳出血 ハ 胃癌 ニ 直腸癌 ホ 肝硬変
正解 (ホ)
ミニ解説: 臍を中心にその周囲の静脈が膨れて放射状の模様のようになるのを「メドゥサの頭」と呼ぶ。肝硬変などで肝臓内の血流が滞っておこるものである。
[設問45] 炎症の四徴の組み合わせを選べ。
イ 発熱・疼痛・出血・びらん
ロ 発熱・出血・びらん・腫脹
ハ 発熱・腫脹・発赤・疼痛
ニ 発熱・腫脹・疼痛・びらん 正解 (ハ)
[設問46] 炎症に際に、最初に遊走してくるのはどれか?
イ 好中球 ロ マクロファージ ハ リンパ球 ニ 好酸球 ホ 好塩基球
正解 (イ)
[設問47] 炎症反応は次のどれで始まるのか?
イ うっ血 ロ 充血 ハ 浮腫 ニ 炎症性細胞の浸潤
正解 (ロ)
[設問48] 炎症と直接関係のある検査所見は次のどれか? 一つ選べ。
イ GOT高値 ロ CPK高値 ハ CRP高値 ニ ALP高値 ホ BNP高値
正解 (ハ)
ミニ解説: CRPはC-reactive proteinの略で、日本語訳はC反応性蛋白。肺炎球菌のC多糖体と結合するためにこう呼ばれている。
[設問49] 形質細胞に分化するのはどれか?
イ マクロファージ ロ 好中球 ハ T細胞 ニ B細胞 正解 (ニ)
ミニ解説: B細胞が分化してできるのが、形質細胞であり、形質細胞が免疫グロブリンを産生する。
[設問50] 涙、唾液、母乳などに含まれ身体の外に出せれる抗体は次のどれか?
イ IgA ロ IgD ハ IgE ニ IgG ホ IgM 正解 (イ)
ミニ解説: IgAが涙や唾液、母乳などに含まれる抗体であるが、IgMは感染の初期に発現するもので、IgGなどが出てくると、徐々に減っていく。IgMは感染症にかかっている証拠となるため、感染症の診断には有用であるが、胎盤は通過しない。IgGはヒト免疫グロブリンの中で最も多く、胎盤を通過できる唯一の免疫グロブリンである。
基礎看護学(8)(共通基本技術) [基礎看護学]
3.共通基本技術
1)人間関係を成立し発展させるための技術
(1)コミュニケーション技術
・ コミュニケーションは、人間関係を成立させる基礎となるもので、相互関係で成り立っています。
・ コミュニケーションを構成する基本要素には、メッセージを伝えようとする送り手、伝えようとするメッセージ、メッセージを伝えるための具体的な手段、メッセージを受け取る受け手があります。
・ コミュニケーションに影響する因子には、受け止め方や感じ方、表現方法、その場の雰囲気、関係者の心理状態などがあります。
・ コミュニケーションを行うにあたっては、相手の身体的、心理的、および社会的背景などを理解しておく必要があります。
・ 看護者は、初対面の患者の不安や緊張を和らげるため、自分から声をかけたり、看護者の役割を説明したりするなどして、人間関係の成立に努める必要があります。
・ 人間関係を築いていくためには、静かで落ち着いた環境を整えることも大切です。
(2)カウンセリング技術
・ カウンセリングは、クライアントの心理的な問題に対して、問題を除去するのみでなく、人間としての発展や成長を援助するものです。
・ カウンセリングは、カウンセラーが一方的な働きかけをするのではなく、相互的な関係の中で行われるものです。
(3)グループワーク、グループダイナミクス
・ グループワークとは、グループダイナミクスを活用し、メンバーを援助する技術です。
・ 主なグループワークには、セルフヘルプグループや集団療法などがあります。
・ グループワークが成立する要素には、「グループメンバー」「グループワーカー」「相互作用」「プログラム」「目標」の5つがあります。
・ グループワークの効果は、成員個々の相互作用によって知識や経験を共有し、一人一人ではできない問題解決や態度および行動変容などの成長・発達を促すものです。
・ グループダイナミクス(集団力動または集団力学)は、アメリカの心理学者レヴィンによって創始されたものです。
・ グループダイナミクスには、集団のダイナミックな性質、および集団が発生して、展開し、そして消滅する過程をも含まれます。 そして、集団の中にある法則を求め、集団の中の個人の人間関係や、集団と集団との関係、さらにもっと大きな制度的集団との相互関係についての知識へと発展させることを目指しています。 理論と実践を連結するユニークな方法論によって研究を進めていく学際的な(複数の学問分野に関わる)学問とされています。
[設問] コミュニケーション技術について、正しい説明文を一つ選べ。
イ コミュニケーションを構成する基本要素とは、メッセージを伝える送り手と受け手のことである。
ロ コミュニケーションの手段は、言語的コミュニケーションでなければならない。
ハ コミュニケーションを行うに際しては、相手のおかれた身体的、心理的、社会的背景を理解しておくことが必要である。
ニ 看護者は、あくまで受身の姿勢で、自分から声をかけたりすることはしない。
正解 (ハ)
[設問] カウンセリングについて、正しいものを一つ選べ。
イ カウンセラーは、クライアントに間違った点があれば、迷わず評価し、指摘していく。
ロ カウンセリングには、教え導く姿勢が不可欠である。
ハ カウンセラーにはクライアントの気持ちを知るため、積極的に耳を傾ける姿勢が必要である。
ニ カウンセラーは、客観性を保つため、クライアントと心情を分かち合うところまでは、深入りしすぎないように努める。
正解 (ハ)
基礎看護学(13) (基本的日常生活援助)へ ⇒ http://shiratorik-kango.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19
ランダム問題(4) [問題集]
[設問31] 横紋筋であり、かつ不随意筋であるのは、次のどれか?
イ 外尿道括約筋 ロ 心筋 ハ 舌筋 ニ 眼輪筋
正解 (ロ)
ミニ解説: 外尿道筋は排尿中に尿を止める筋肉なので随意筋、舌は随意で動かせるので舌筋は随意筋、眼輪筋は眼を閉じる筋肉なので随意筋である。
[設問32] 漿膜は胸腔、腹腔、心嚢内面やその中の臓器表面を覆うものであるが、漿膜上皮はどれからなるか?
イ 単層扁平上皮 ロ 単層立方上皮 ハ 単層円柱上皮 ニ 移行上皮
正解 (イ)
[設問33] 上皮細胞はなく、結合組織のみで形成されているものは次のどれか?
イ 胸膜 ロ 胃粘膜 ハ 関節の滑膜 ニ 腹膜 正解 (ハ)
[設問34] 皮膚は表皮は5層からなるが、表面からの順番が正しいものを選べ。
イ 角質層・顆粒層・淡明層・有棘層・基底層
ロ 角質層・有棘層・淡明層・顆粒層・基底層
ハ 角質層・有棘層・顆粒層・淡明層・基底層
ニ 角質層・淡明層・顆粒層・有棘層・基底層 正解 (ニ)
[設問35] 汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺があるが、アポクリン腺が多く分布する部位を二つ選べ。
イ 前額部 ロ 腋窩 ハ 手掌 ニ 会陰部 ホ 大腿部
正解 (ロ、ニ)
[設問36] 人体内部の温度は体表の温度より高く一定であるが、それは何と呼ばれるか?
イ 核心温度 ロ 内部温度 ハ 体内温度 ニ 内臓温度
正解 (イ)
[設問37] 体温が最も低くなるのは、次のどの時間帯か?
イ 午前0~2時 ロ 午前2~4時 ハ 午前4~6時 ニ 午前6~8時
正解 (ロ)
[設問38] 女性の基礎体温とはいつの体温をいうのか・
イ 就眠前 ロ 早朝起床前 ハ 早朝起床後 ニ 朝食前
正解 (ロ)
[設問39] 成人女性では月経周期によって体温は変動するが、高温相は次のどれによるものか?
イ プロゲステロン ロ エストロゲン ハ FSH ニ LH
正解 (イ)
ミニ解説: 卵胞ホルモン、エストロゲンは妊娠しやすい状態にするためのホルモンなので、排卵直前に最も分泌される。一方プロゲステロンは排卵後の卵胞が黄体化されることによって分泌されるので排卵後に分泌が増え、高温相をつくりだすことになる。妊娠が成立すれば、子宮内膜を受精卵が着床しやすいように肥大させ、出産まで分泌され続けることになる。
[設問40] 食物として摂取されたエネルギーの大半は熱として失われるが、その割合を以下より選べ。
イ 約50% ロ 約60% ハ 約70% ニ 約80% ホ 約90%
正解 (ニ)
基礎看護学(7)(看護の展開) [基礎看護学]
4)期待される結果の明確化
(1)患者の具体的で、測定可能な行動を表現します。
・ 患者の、測定可能で達成度が観察できるような特定の行動を表す語句を用います。
例) 飲む、立つ、歩く、話す など
・ 行動の測定基準を設定します。
例) 飲む量や歩く距離 など
・ 誰が行うのか、何を行うのか、どのような状態で行うのか、いつまでに行うのか、どこまで達成するのかを明確に記述するようにします。
・ 行動毎に結果を設定します。
(2)設定上の留意点
・ 患者および家族、他の医療従事者と共同で、納得して共有できる結果を設定します。
・ 患者の状態の変化、目標達成上の問題が生じたら、その都度修正・変更を加えます。
5)実施
(1)手段の選択
・ 看護ケアは最適な方法を選定して実施したつもりでも、実施の途中でも、常に最適かどうかを再検討していく必要があります。
・ 安全、安楽で、患者に自立を促す、しかも経済性を考慮した方法を選択します。
(2)対象者への説明と了解
・ 計画された看護ケアは、患者の健康上の問題解決を目指して実施されるものですから、患者にケアの目的、方法、ケアを実施した結果どうなるかを説明し、了解を得た上で実施する必要があります。 この説明の際には、患者の理解力を
確認しながら、わかりやすい言葉を使って行うようにします。
(3)看護の実施と対象者の反応の確認
・ 実施中も、患者の状態や、言動や表情に現れる反応を観察しながら、情報収集も行っていきます。
・ 収集した情報を分析評価し、計画の修正や変更を行います。
・ 実施した看護ケア、患者の状態、患者の反応、看護者の判断、ケア計画の修正・変更などは記録しておきます。
6)評価
(1)目標達成の評価
・ 実施した看護ケアによる設定目標の達成度を評価します。
・ 評価は患者の反応や状態、客観的情報(バイタルサイン、薬剤の種類や量、処置内容の内容)などから評価します。
・ 目標は完全に達成されたのか、部分的に達成されたのか、全く達成されなかったのかを評価し、ケア計画の継続、修正、終了のいずれかを判断します。
(2)看護過程展開の評価
・ 評価した結果、目標が達成されていない場合は、看護過程の全てのプロセスを振り返って再検討します。
(3)再評価
・ 変更・修正されたケア計画を再度実施し、継続しているケアも含め、患者の状態、反応から目標の達成状況を評価します。
[設問] 看護計画の目標達成の評価に関して、正しいものを二つ選べ。
イ 評価は、患者の反応、状態、客観的情報などから評価する。
ロ 評価は患者の満足度で行う。
ハ 目標の達成度は、完全か、部分的か、全く達成されなかったのかを評価し、ケア計画をこのまま継続するのか、修正するのか、終了するのかを判断する。
ニ 評価した結果、部分的にでも達成されていれば、そのままケア計画を最後まで実行してみる。
ホ 評価においては看護者の満足度を最優先する。
正解 (イ、ハ)
ランダム問題(3) [問題集]
[設問21] 一般的に血清Na濃度が、幾つ以上のとき、高Na血症とされるか? 以下より選べ。
イ 125mEq/L ロ 135mEq/L ハ 145mEq/L ニ 155mEq/L
正解 (ハ)
[設問22] 高Na血症の原因となるものを二つ選べ。
イ 利尿薬 ロ SIADH ハ 原発性アルドステロン症 ニ 腎性尿崩症 ホ 心不全
正解 (ハ、ニ)
ミニ解説: 利尿薬の副作用はその種類によって異なる。炭酸脱水酵素阻害薬、ループ利尿薬、チアジド系利尿薬では低K血症が、抗アルドステロン薬やカリウム保持利尿薬では逆に高K血症をきたすことがある。SIADHでは抗利尿ホルモンであるバゾプレッシンが過剰に分泌あるいは腎臓が過剰に反応しておこるもので、腎臓において水の再吸収が亢進する。結果として低Na血症がおこることになる。うっ血性心不全で一般にみられるのは低Na血症、低K血症である。
[設問23] 一般に血清Na濃度が幾つ以下のとき、低Na血症とされるか?
イ 105mEq/L ロ 115mEq/L ハ 125mEq/L ニ 135mEq/L
正解 (ニ)
[設問24] 慢性の低Na血症に対して急速なNa補正を行うと起る可能性のある中枢神経の病変は何か?
イ 脳出血
ロ ラクナ梗塞
ハ 辺縁系脳炎
ニ 橋中心髄鞘崩壊 正解 (ニ)
ミニ解説: 橋中心髄鞘崩壊症(きょうちゅうしんずいしょうほうかいしょう)、central pontine myelinolysis(CPM)とは低Na血症で急速な補正を行った時におこるもので、脳幹の橋に脱髄がみられる。
[設問25] 血清Kが幾つ以上のとき、高K血症というか?
イ 4.5mEq/L ロ 5mEq/L ハ 5.5mEq/L ニ 6mEq/L
正解 (ハ)
[設問26] 高K血症でみられる心電図所見で比較的早期にみられるのはどれか?
イ T波の増高 ロ PRの延長 ハ P波の低下 ニ QRS幅増大
正解 (イ)
ミニ解説: 高K血症の早期の心電図変化はT波の増高であり、さらにKが増えるとP波の低下、PR間隔の延長、P波の消失、洞停止などがおこる。
[設問27] 血清Kが幾つ以下のとき、低K血症というか?
イ 2.5mEq/L ロ 3mEq/L ハ 3.5mEq/L ニ 4mEq/L
正解 (ハ)
[設問28] 臨床的に高Ca血症の原因として多いものを二つ選べ。
イ 甲状腺機能低下症 ロ 副甲状腺機能亢進症 ハ 悪性腫瘍 ニ 腎不全 ホ 副甲状腺機能低下症
正解 (ロ、ハ)
[設問29] 低Ca血症と関連のあるものを一つ選べ。
イ テタニー ロ 異所性石灰化 ハ 心電図でのテント状T波 ニ 四肢麻痺
正解 (イ)
[設問30] クスマウル呼吸の原因となるものを選べ。
イ 呼吸性アシドーシス
ロ 呼吸性アルカローシス
ハ 代謝性アシドーシス
ニ 代謝性アルカローシス 正解 (ハ)
基礎看護学(6)(看護の展開) [基礎看護学]
2)目標設定
(1)優先順位の決定
(A)優先順位の決定指標
・ 複数の問題の中で、解決すべき緊急度を判断し、決定する。
(B)マズローの欲求の階層性の活用
・ マズローは欲求を5つの階層に区分し、上位の欲求が発動されるのは下位の欲求の充足が必要であるとしています。つまり、より下位の欲求が上位の欲求より優先されることになるわけです。 優先順位の決定に考慮すべき理論であるかもしれませんね。
(C)優先順位の諸課題
・ 患者の状態や反応の変化に応じ、優先順位は適宜修正すべきである。
(2)患者との問題解決の目標の共有
・ 目標は、患者のそのときの健康状態での到達可能なレベルに設定します。
・ 目標は、看護者と患者が合意したものである必要です。看護者が独断で決めるべきものではありません。
・ 目標設定を記載する場合、患者の行動を表し、かつ客観的に評価ができる用語を用います。
(3)目標とその達成時間の設定
・ 目標がいつまでにどのようになるか、達成できる期日または時間目標を設定します。
・ 1週間くらいで達成可能な短期目標と、3〜4週間くらいで達成可能な長期目標の両方を設定します。
3)計画
(1)行動計画の立案
・ 目標設定後、患者が目標を達成するために必要な援助を具体的に計画します。
・ 実施する看護ケアの記述は、簡潔明瞭で「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どのように」の内容を含むようにします。
・ 計画には導き出された問題の経過や変化が判断できる観察事項や直接的な治療や看護および患者への教育・指導内容が含まれます。
・ 患者の状態の変化に対応したケアを実施するために、計画を随時見直し、更新することが必要です。
[設問] 看護目標設定の優先順位の付け方で正しいものを一つ選べ。
イ 目の前にある短期的な問題より、長期的な問題の解決を優先する。
ロ 生命に危険が差し迫ってりる問題を最優先する。
ハ マズローの欲求の上位のものほど優先する。
ニ 生命に危険はないが生活に非常に支障をきたしている問題を最優先する。
正解 (ロ)
[設問] 患者の問題解決の目標に関して、正しいものを一つ選べ。
イ 目標は、患者のその時の健康状態で到達可能なレベルに設定する。
ロ 目標は理想を求めるものであって、必ずしも患者の健康状態などにとらわれるべきではない。
ハ 目標は、看護者が決めるべきものであり、必ずしも患者との合意は必要ではない。
ニ 目標設定を記載する場合、できるだけ看護者の熱意が感じられる主観的な用語を用いる。
正解 (イ)