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成人看護学(51)(感染症の看護) [成人看護学]

16.感染症の看護

1)感染症の観察とアセスメント

(1)熱型、身体所見、分泌・排泄物、血液所見

・ 疾患によっては、特徴的な熱型のものがあります。

感染症の.png

(2)感染部位、原因、程度

・ 消化管の感染症では、原因はウイルスによるものが多く(ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス)、次いで細菌(病原性大腸菌、サルモネラ、腸炎ビブリオ)などの食中毒によるものが多く、嘔吐・下痢をおこします。

・ 術後感染症では、創感染、手術臓器自体の感染、術後肺炎、尿路感染の頻度が高くなっています。

・ 性感染症では、クラミジア感染症が最も多く、男子では尿道炎、女子では子宮頸管炎をおこします。

・ 熱傷部位には、緑膿菌とブドウ球菌感染が多いといわれています。

・ 老人保健施設でしばしば集団感染をおこすのは、疥癬虫による疥癬であり、接触感染で広がります。

カテーテル.png

(3)心身・日常生活への影響

・ 感染力が強い時は、患者は隔離されるため、孤独感や拘束感を感じることになります。そのため、運動不足にもなりやすくなります。

・ 精神的なストレスが溜らないよう工夫した看護を行い、可能な範囲で運動を指導します。

・ 隔離患者には、手洗いの励行、部屋から出る場合はガウン着用をするよう説明と指導が必要になります。 家族、面会者にも感染源とならないように指導します。

[設問] 38℃以上の発熱で、一日中の体温の差が1℃以内のものを何というか?

イ 弛張(しちょう)熱  ロ 稽留(けいりゅう)熱  ハ 間欠(かんけつ)熱  ニ 波状(はじょう)熱

                                 正解 (

[設問] 間欠熱がみられる代表的疾病は次のどれか? 一つ選べ。

イ 腸チフス  ロ 膠原病  ハ 敗血症  ニ マラリア            正解 (

[設問] 熱傷部位でおこりやすい感染症はどれか? 一つ選べ。

イ 肺炎球菌感染  ロ 溶連菌感染  ハ ブドウ球菌感染  ニ 大腸菌感染

                         正解 (

[設問] 老人保健施設でしばしば集団感染を起こすことで知られているのはどれか? 一つ選べ。

イ 疥癬   ロ 白癬   ハ 肺炎球菌感染   ニ トリコモナス感染

                        正解 (

 

 成人看護学(54) (感覚機能障害を持つ患者の看護)へ ⇒ http://shiratorik-kango.blog.so-net.ne.jp/2013-08-04-1

 


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成人看護学(50)(生体防御機能の障害を持つ患者への看護) [成人看護学]

(3)膠原病の生活指導と援助

・ 膠原病の増悪因子である過労、感染、ストレス、寒冷、紫外線などを回避させます。

・ 再燃時の徴候として、発熱、関節痛、皮膚症状、筋痛、脱力、レイノー症状などがあることを患者に説明しておきます。

・ 適度な活動と安静のバランスがとれるように指導します。

・ 服薬指導では、自己判断で中止しないように指導します。

・ ステロイドや免疫抑制剤などの投与が行われ、その副作用で易感染状態にあるので、感染予防行動を指導します。

・ 定期的な受診の重要性を説明しておきます。

・ 慢性関節リウマチ患者では、関節の変形・拘縮がおこるため、自助具や補助具の活用と、関節の可動性と筋力の維持のため適度な運動を行うよう指導します。

帽子.png

・ 全身性硬化症患者では、手指の皮膚潰瘍に2次感染がおきやすいので、清潔を保つよう指導し、家事のとき洗剤の使用は避けるようにしてもらいます。

(4)アレルギー疾患の生活指導と援助

・ アレルゲンが何か、回避するにはどうすればよいのか、などを指導します。

・ ステロイド内服が行われている時は、易感染状態であることを説明し、感染予防行動を指導します。

・ 生活面で、過労やストレスを避けるように指導します。

・ 気管支喘息では、空気汚染のある場所を避け、感染予防を指導します。

・ アレルギー性鼻炎では、外出時のマスクや眼鏡の使用で予防してもらい、季節がわかっていれば、予防あるいは症状軽減のための服薬を指導します。

・ アトピー性皮膚炎では、皮膚の保護と2次感染の予防に注意を払ってもらいます。

・ シックハウス症候群では、空気清浄機の使用や定期的な換気によって対応してもらいます。

(5)HIV感染症/エイズの生活指導と援助

・ HIV感染症に関する知識や経過、治療方法、感染経路などについて理解できるよう促し、定期受診や抗HIV薬の内服の必要性を説明し、服薬の方法は、生活パターンに合うように主治医と相談して調整します。 抗HIV薬の副作用についても十分に説明しておくようにします。

・ カウンセリングや社会資源の活用についても説明します。

・ 他人への2次感染を防ぐため、歯ブラシやカミソリは共用しないこと、性行為時はコンドームを使うこと、妊娠・出産に関しても知っておくべきことを説明しておきます。

・ 日和見感染症の症状、感染予防行動などについての指導を行う。

[設問] 紫外線が増悪因子になる膠原病は次のどれか? 一つ選べ。

イ SLE  ロ 慢性関節リウマチ  ハ 高安病  ニ 全身性硬化症

                      正解 (

[設問] エイズなどの免疫不全状態で起こりやすいものは次のどれか? 一つ選べ。

イ 心筋梗塞  ロ 脳出血  ハ 高脂血症  ニ 日和見感染  ホ メタボリック症候群

                     正解 (


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成人看護学(49)(生体防御機能の障害を持つ患者への看護) [成人看護学]

2)免疫機能異常の看護

(1)骨髄穿刺時の援助

・ 骨髄検査には、骨髄液を採取し造血機能を評価する骨髄穿刺と、生検針で骨髄を採取し病理組織検査を行う骨髄生検があります。

・ 骨髄検査は、消毒を行い皮下組織の局所麻酔と骨膜・骨質を十分麻酔したのちに、穿刺針や生検針が挿入されます。

・ 骨髄液採取時の疼痛・違和感に対する麻酔は無効なので、あらかじめ採取時の不快感を説明し、採取時は声かけをして患者の不安をとり協力を得るようにします。

・ 骨髄穿刺と骨髄生検後は安静にし、穿刺部を15〜20分間十分に圧迫し、止血したことを確認します。 また、検査後の当日はシャワーを浴びず、その後は、痂皮の形成を確認し、痂皮が落ちないようにしてシャワーを浴びるよう指導します。

(2)骨髄移植、幹細胞移植術の援助

・ 造血幹細胞移植の前処置期間は、化学療法と放射線療法、その支持療法などにより、さまざまな合併症、副作用がみられます。

・ 看護では、症状・検査結果などの観察により、副作用・合併症を早期発見すること、全身を清潔にすること、苦痛の緩和の援助が必要となります。

・ 無菌室に入室するには、ガウン、帽子、マスクを着用し、準備室で手洗いを入念にします。

ガウン.png

・ 患者は無菌室に隔離されているため、患者・家族が安定した精神状態と前向きな治療への意欲が維持できるよう、十分なコミュニケーションを持ち、信頼関係を築くようにします。

・ 移植の適応の判断では、治療の効果、病状の進行、ドナーの有無が重要な条件となります。 ドナーの負担を含め、患者だけでなく家族に対しても移植に関する十分な説明と理解が必要となります。

・ レシピエントである患者の移植の決定、およびドナーの造血幹細胞の提供は、自由意志で行ってもらい、さらにセカンドオピニオンを得ることを勧めます。

・ バンクドナーの検索は経済的負担を伴いますので、医療社会福祉士などへの相談や社会資源の援助などを説明します。

・ ドナーとレシピエントはお互い直接知り合えないように保護されています。

[設問] 骨髄検査について正しいものを一つ選べ。

イ 骨髄検査で、骨髄液を採取し、病理組織検査を行うのを、骨髄穿刺という。

ロ 骨髄検査では、消毒は行うが、一般に局所麻酔は行わない。

ハ 骨髄液採取時の疼痛・違和感に対する麻酔は無効である。

ニ 骨髄穿刺後に安静は必要ない。            正解 (


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成人看護学(48)(生体防御機能の障害を持つ患者への看護) [成人看護学]

(3)機能異常の原因と程度

・ 免疫機能低下には、遺伝的異常によっておこる原発性免疫不全と、生後の何らかの要因(栄養失調、感染、腫瘍、外傷、医学的治療)によっておこる続発性免疫不全があります。

・ 気管支喘息の発症および増悪因子として、ハウスダスト、ダニ、大気汚染、喫煙、ストレスなどがあります。

・ 花粉症の主な原因としては、スギ、シラカバ、イネ科の植物、ブタクサ、ヨモギがあります。

・ アトピー性皮膚炎の患者には、家族にもアトピー素因があるといわれています。

・ 蕁麻疹は、食物、薬剤の他、機械的刺激、冷気や寒気などによってもおこることがあります。 また、接触性皮膚炎は、うるし、化粧品によっておこります。

(4)心身・日常生活への影響

・ アレルギーをおこす抗原(アレルゲン)には、吸入性抗原、食事性抗原、接触性抗原があります。

・ アレルギー疾患でアレルゲンが明らかならば、アレルゲンの除去がアレルギーの治療となります。

・ 気管支喘息の発作は夜間から明け方に多いとされます。

・ 膠原病では、発熱・関節症状・筋肉痛・皮膚症状がみられます。

・ 膠原病では、ステロイド剤が治療に使われますが、その副作用として骨粗鬆症、糖尿病、消化性潰瘍、易感染性などがあります。

膠原病.png

・ 全身性硬化症(強皮症)では皮膚の腫脹・硬化・萎縮が四肢末端に現れます。女性に多く発症するといわれます。

[設問] 気管支喘息の発症および増悪因子とされるものを一つ選べ。

イ 大気汚染  ロ スギ  ハ イネ科の植物  ニ ブタクサ  ホ ヨモギ

                                   正解 (

[設問] 花粉症の主な原因とされるものを一つ選べ。

イ ハウスダスト  ロ スギ  ハ タンポポ  ニ 桜  ホ 梅

                                   正解 (

[設問] 気管支喘息の発作のおこりやすい時間帯は次のどれか?

イ 午前中  ロ 正後ころ  ハ 午後1時~3時頃  ニ 午後4時から6時頃  ホ 夜間から明け方

                                   正解 (

[設問] 膠原病の治療に使われるステロイド剤の副作用を二つ選べ。

イ 骨粗しょう症  ロ 消化性潰瘍  ハ けいれん発作  ニ 低体温症  ホ 熱発

                                  正解 (



 


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