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成人看護学(76)(運動機能障害を持つ患者の看護) [成人看護学]

(14)脊髄損傷レベルに対応した日常生活動作の訓練と介助方法

・ 上部頸髄の脊髄損傷では、呼吸筋の麻痺がおこるので、人工呼吸器が必要となることがあります。 この場合、四肢麻痺もおこり、日常生活の大半に介助を要すことになります。

・ Th6までの胸髄損傷では、歩行動作は全面介助となります。

・ S2〜S3(仙髄)レベルより上部の損傷であれば、自動性膀胱となり、完全排尿が可能となるので、急性期を過ぎて反射がみられるようになる頃には排尿訓練を開始します。 また、膣・直腸の収縮訓練を行い、尿道周囲組織を強化します。

・ S2〜S3以下の損傷であれば、自律性膀胱となり、用手的排尿ができます。 残尿測定し、上行性感染の予防、尿道瘻の予防を行います。

・ 自律神経の障害があるため、起立性低血圧をおこしやすいので注意します。

(15)免荷・歩行補助具・自助具の適応

・ 免荷・歩行補助具・自助具は、その使用により姿勢や肢位が安定し、生活行動がより安全に安楽に充足できることが適応の条件となります。

・ 歩行器は、主に歩行のバランスが悪い時や、離床時の歩行の練習などに使われます。 松葉杖は、下肢の免荷目的で使われ、杖は筋力とバランスが改善した段階で用いられます。

(16)ドパミン補充療法の服薬指導

ドパミン補充.png

 

 

[設問] 胸腰髄の損傷ではおこらず、上部頸髄の脊髄損傷でおきるのは次のどれか?

イ 排尿障害

ロ 下肢の麻痺

ハ 感覚障害

ニ 呼吸筋の麻痺                        正解 (

[設問] パーキンソン病に使われる薬剤の組み合わせを一つ選べ。

イ グルタミン酸放出抑制薬・メチルコバラミン

ロ コリンエステラーゼ阻害薬・ステロイド・免疫抑制薬

ハ コリンエステラーゼ阻害薬・NMDA阻害薬

ニ ドパミン受容体作動薬・レボドパ・MAO‐B阻害薬        正解 (


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成人看護学(75)(運動機能障害を持つ患者の看護) [成人看護学]

(12)関節・脊柱の疼痛の緩和

・ 関節・脊柱の痛みの大半は運動痛ですから、多くは、肢位、姿勢の補正、安静固定によって軽減します。

・ 関節にかかる負担の軽減や関節の安定のため、装具が使用されることがあり、サポーター、足底板、機能的膝装具、杖などが使われます。

・ 関節・脊柱の慢性の疼痛で、急性炎症がなければ、保温に努めます。

・ 膝関節の痛みには、ヒアルロン酸が関節内注入されることがあります。

・ 脊椎の腫瘍による疼痛では、オピオイド系の内服薬、坐薬、貼付剤の使用、神経ブロックが行われることもあります。 急性の腰痛症では、硬膜外ブロックが行れます。

(13)片麻痺における日常生活動作(ADL)の訓練と介助方法

・ ADLの訓練は、患者を中心に理学療法士、作業療法士、医師、看護師、家族が協力して行います。

・ まず、寝返りと上肢の筋力増強訓練を行い、仰臥位から座位をとれるようにします。 次に座位を保持できるように、肩甲帯筋、背筋、手指の筋力強化を行います。 座位ができれば、次は食器を保持できるようにします。 必要に応じて自助具を導入することになります。

・ 嚥下障害があれば、言語療法とあわせて、発声、吸う、噛む、飲み込む、吹く、舌を動かす、頬を動かすなどの運動を行い、少しずつあわてず練習を行うことなります。

片麻痺の歩行介助.png

・ 口腔ケアは健側で行うようにしますが、麻痺側の口腔内に食物残渣物が貯留しやすいため、口腔ケア終了後は特に麻痺側を観察します。


[設問] 次の関節・脊柱の疼痛の緩和に関する説明で、正しいものを一つ選べ。

イ 慢性の疼痛であれば、冷湿布を行う。

ロ 膝関節の痛みに対しては、ヒアルロン酸の関節内注入が行われることがある。

ハ 関節にかかる負担の軽減には装具は使わず、リハビリテーションで対応する。

ニ 急性の腰痛症にたいしては、温湿布での処置が最も有効である。

                          正解 (

[設問] 片麻痺の患者の介助の仕方で正しいものを一つ選べ。

イ 片麻痺の歩行介助は健側から行う。

ロ 階段昇降では、一段下から支えるようにする。

ハ 寝返りや上肢の筋力増強訓練よりも座位保持訓練を先に行う。

ニ ADL訓練は専門職である理学療法士と作業療法士のみで行う。

                             正解 (


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