疾病の成り立ちと回復の促進 第5回(病態のいろいろ) [疾病の成り立ちと回復の促進]
b)遺伝子異常による遺伝病
ア)単一遺伝病(1個の病原遺伝子でおこる疾患)
・ 常染色体優性遺伝をとるもの: 片親のみに病原遺伝子がある場合、子供の50%に発現することになります。 男女差はありません。
例)家族性大腸ポリポーシス、マルファン症候群など
・ 常染色体劣性遺伝をとるもの: 近親婚により発現することが多く、男女差はありません。 先天性代謝異常の多くがこれにあたります。
・ X連鎖優性遺伝をとるもの: 父が病原遺伝子を持っていると娘には必ず伝わりますが、息子には伝わりません。 母が病原遺伝子を持っていると息子と娘が1:1の割合で伝わる。
例)エナメル質形成不全症、家族性低リン血症性くる病など
・ X連鎖劣性遺伝をとるもの: 伴性劣性遺伝とも呼ばれるものです。
例)デュシャンヌ型筋ジストロフィー、血友病など
[設問] 片親のみに病原遺伝子があり、子供に50%の割合で発現するものはどれか。
イ 常染色体優性遺伝
ロ 常染色体劣性遺伝
ハ X連鎖優性遺伝
ニ X連鎖劣性遺伝 正解 (イ)