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人体の構造と機能 第105回(神経系) [人体の構造と機能]

B)脊髄神経

a)脊髄神経のレベルによる分類

・脊髄神経は8対の頸神経、12対の胸神経、5対の腰神経、5対の仙骨神経、1対の尾骨神経からなっています。

b)脊髄神経の前枝と後枝

・脊髄神経は腹側に向かう前枝と背側に向かう後枝に分かれます。

脊髄神経と脊髄.png

c)神経叢(しんけいそう)

・脊髄神経が複雑にからみあってできるのが神経叢で、それには、頸神経叢、腕神経叢、腰神経叢、仙骨神経叢、陰部神経叢があります。

・腕神経叢は、第5~8頸神経の前枝と第1胸神経の前枝からなっています。

腕神経叢.png

・腰神経叢は、第12胸神経の前枝と第1~4腰神経の前枝からなっています。

・仙骨神経叢は、第4、5腰神経と第1~3仙骨神経の前枝からなっています。

・陰部神経叢は、第2~4仙骨神経で形成されています。

d)馬尾

・腰神経、仙骨神経、尾骨神経からなるものです。

馬尾.png

[設問] 脊髄神経は何対あるか?

イ 20対   ロ 28対   ハ 31対   ニ 36対           正解 (

[設問] 脊柱管内にあり、感覚神経細胞が集まった場所はどれか・

イ 後角   ロ 後索   ハ 後根   ニ 脊髄神経節         正解 (

[設問] 腕神経叢を形成するのは脊髄神経のどのレベルか・

イ C3 ~ C7

ロ C4 ~ C8

ハ C5 ~ Th1

ニ C6 ~ Th2                 正解 (


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人体の構造と機能 第104回(神経系) [人体の構造と機能]

f)内耳神経(ないじしんけい、第8脳神経)

・内耳神経には、前庭神経と蝸牛神経があって、前者が平衡感覚、後者が聴覚を司っています。

・前庭神経は、三半規管と前庭の有毛細胞への刺激を平衡感覚として中枢へ伝えます。蝸牛神経は、ラセン器(コルチ器)の有毛細胞への刺激を聴覚として中枢へ伝えます。

・前庭神経と蝸牛神経は、内耳道で合流して内耳神経となって橋に入ります。

・蝸牛神経は、橋の蝸牛神経腹側核と背側核でニューロンを乗り換え、視床の内側膝状体に到達します。内側膝状体でニューロンを乗り換えたあと、聴覚路は側頭葉の聴覚野へと向かい、到達します。

蝸牛神経.png

・前庭神経は、一部は直接小脳へ至るものもあれば、橋、延髄の前庭核群に終わり、ニューロンを乗り換えて小脳や脊髄などへ至る系もあります。

g)舌咽神経(ぜついんしんけい、第9脳神経)・迷走神経(めいそうしんけい、第10脳神経)

・舌咽神経・迷走神経の核は、延髄にあって、延髄から出ています。

・舌咽神経は、耳介・外耳道の感覚を司る体性感覚系の機能、咽頭粘膜、舌の後部などの内臓感覚系の機能、舌の後ろ1/3の味覚という特殊感覚系、耳下腺の分泌を支配する自律神経系(副交感神経系)の機能、咽頭・喉頭筋群の支配などの多彩な機能を迷走神経とともに行っています。

味覚支配.png

・迷走神経は、舌咽神経とともに咽頭・喉頭筋群の支配、咽頭・喉頭粘膜の内臓感覚系の機能を行うほか、腹胸部臓器の内臓感覚系と遠心性の自律神経系(副交感神経系)の機能を持っています。

・嚥下運動、構音機能などは、この2つと舌下神経(ぜっかしんけい)が行っています。

h)副神経(ふくしんけい)

・副神経は、神経核は半分は延髄にありますが、残りは脊髄にあって、延髄根と脊髄根に分かれて延髄と脊髄から出ています。

・三叉神経核の大半と、外転神経核、顔面神経核と内耳神経核の大半は橋にあります。そして、これらは、三叉神経を含め、いずれも橋から脳を出ています。

・副神経は、胸鎖乳突筋、僧帽筋を支配しています。

i)舌下神経(ぜっかしんけい)

・舌下神経の神経核は延髄にあって、体性運動神経に属し、舌の筋肉を支配しています。

[設問] 右耳からの聴覚の主たる伝導路で正しいものを選べ。

イ 右蝸牛 → 右蝸牛神経 → 右の蝸牛神経核 → 左の内側膝状体 → 左下丘 → 左聴覚野

ロ 右蝸牛 → 右蝸牛神経 → 右の蝸牛神経核 → 左の内側膝状体 → 左上丘 → 左聴覚野

ハ 右蝸牛 → 右蝸牛神経 → 右の蝸牛神経核 → 左下丘 → 左の内側膝状体 → 左聴覚野

ニ 右蝸牛 → 右蝸牛神経 → 右の蝸牛神経核 → 左上丘 → 左の内側膝状体 → 左聴覚野

                                           正解 (

[設問] 下記の文で、正しい記述を一つ選べ。

イ 内耳神経は、単一の脳神経であり、聴覚刺激を伝える。

ロ 聴覚刺激は、蝸牛神経、上丘、内側膝状体を経て大脳の聴覚野へ至る。

ハ 舌咽神経は、舌の前2/3の味覚を司る。

ニ 副神経の核は、半分は延髄にあり、残り半分は脊髄にある。

                            正解 (


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人体の構造と機能 第103回(神経系) [人体の構造と機能]

c)動眼神経(どうがんしんけい、第3脳神経)、滑車神経(かっしゃしんけい、第4脳神経)、外転神経(がいてんしんけい、第6脳神経)

・動眼神経核、滑車神経核は中脳にあり、外転神経核は橋にあります。

・動眼神経は、中脳の前方から脳を出て、滑車神経は後方から出ます。外転神経は橋から脳を出ます。

・動眼神経、滑車神経、外転神経の3者によって眼球運動は行われています。

・動眼神経副核は副交感神経系であって、毛様体神経節を経て瞳孔括約筋の働きで、縮瞳をおこします。

滑車神経.png
眼球運動.png

d)三叉神経(第5脳神経)

・三叉神経の核は、中脳、橋、延髄、脊髄にわたっていて、脳神経中最も大きい神経核です。脳幹を出て、三叉神経節をつくると、そこから三本に分岐します。

・三叉神経は、顔面・口腔・鼻腔下部・鼻咽頭などの感覚、咬筋・側頭筋などの筋群を支配しています。

三叉神経.png

e)顔面神経(第7脳神経)

・顔面神経の核には橋にある運動核の他、副交感神経系の上唾液核(じょうだえきかく)、味覚を司る孤束核(こそくかく)があり、顔面筋の他、涙や唾液の分泌、舌前2/3の味覚を支配しています。

顔面神経.png

[設問] 次の脳神経の脳幹の核で、自律神経の核を含むものはどれか? 二つ選べ。

イ 動眼神経   ロ 滑車神経   ハ 外転神経   ニ 三叉神経   ホ 顔面神経

                                      正解 (

[設問] 下記の脳神経核の中で、最も大きいものはどれか?

イ 動眼神経   ロ 外転神経   ハ 三叉神経   ニ 顔面神経

                                     正解 (

[設問] 唾液腺、涙腺を支配する脳神経は、次のうちどれか?

イ 動眼神経   ロ 滑車神経   ハ 三叉神経   ニ 顔面神経

                                     正解 (


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